徒然草 皐月〜水無月の頃


ブログ / 土曜日, 5月 31st, 2025

徒然草 皐月〜水無月の頃

東京では雨の似合う紫陽花が咲き始め、梅雨を心待ちにしているかのよう。
旧暦の二十四節気では、既に立夏を過ぎ小満の頃。動物も植物も昆虫も人間も、全ての命が満ちていき、日を浴びて輝く頃とされています。
私も雨に打たれ、心洗われ、日を浴びてキラキラしたいなぁと思いますが、そう簡単に行かないのが人間の性ですかね。

先日いらしたお客様が、手土産を忘れてきてしまったとのことで、わざわざ宅急便で送ってくださいました。
開けてみると〈蓮もち〉というもので蓮の根からとる蓮粉と和三盆糖蜜を練りあげた上品なお菓子。私は食いしん坊なので早速頂きました。透き通ってプルプルで、ほんのり甘く、香りは高級なブランデーの様な深みがあり、初体験の味。この季節のジメジメを忘れさせてくれる、美味しく素敵なお菓子でした。

蓮というから、ついつい大きくて美しい花を連想し、根っこってどんなだっけ? とうっかり考えてしまいましたが、あっ、私の大好きなレンコンだぁと気づきました。
レンコンはビタミンCとカリウムが豊富でお肌を潤し心のざわつきを鎮めてくれるそうです。今の私にタイムリーなお菓子です。

時に、漢方では相似の理論というのがあるようです。人も植物も地球上の同じ生命体なのである一面似ているものと言う考え方だそうです。その観点から人間の下半身が植物の根に当たるとされ、人の下半身の病にはレンコンなどの根菜類が効果的なのだとか。
古来から種を保存し続けているだけありますよね。

蓮を使ったことわざに「一蓮托生」と言うのがあります。この言葉、俺とお前は一蓮托生だとかで、意気込んだ感じでよく使われる気がするのですが、調べてみたらもっとロマンチックな「蓮の台(うてな)の半座を分かつ」と同義語になっており、死んだあと極楽に行ったら一枚の蓮の葉に座り、いつまでも2人で幸せでいようね。と言う意味でした。

蓮の台の半座を分かつ こんな風に思えるお相手がいたらとっても幸せですよね。
因みに88歳の私の母は、察するところ、父と2人で蓮の台の半座を分かつつもりでいる様な気がします。そうなるといいなぁ!   

皆様はいかがですか⁈