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体がいちばん大切だから

vol.10 老化予防のヒント

街を歩くと高齢者の姿が多くみられるようになりました。超高齢化社会が到来しつつあり ます。この少子高齢化は今後20~30年は続くと考えられます。今後の社会を考えると老化 を予防することは重要な課題です。

●腹八分で抗老化
前回も少食は健康長寿の秘訣という話をしましたが、すでに1934年にマウスの実験で、摂 取カロリーを80%にすると寿命が20%延びることが証明されています。

その後、線虫や酵母などほかの生物でも証明されていますが、2011年にアカゲザルでの実 験結果がTVでも放映されました(You-tubeで「長寿遺伝子」とか「赤毛サル」とかで検索 すると出てきます)。この実験は、米ウィスコンシン大学で行われたものですが、同じ27 歳(人間で言えば70~80歳)の年齢のサルが、一方は毛並も艶やかで運動も活発であり 若々しく、もう一方のサルは毛並も悪く動きは鈍く、いかにも老化しています。2匹は生 まれたときからまったく同じ環境で育てられ、唯一、摂取カロリーだけが違います。若い 方のサルは老化したほうの70%のカロリー摂取だということです。27年間の実験が必要だ ったことにその大変さを感じます。

実は人間でも実験が始まっているとのことですが、まずはサルの実験結果を重く見て、今 すぐ少食にするのが老化予防にいいでしょう。

●間違いのアンチエイジング(抗加齢)コラーゲン
女性にとっては皮膚のしわ、たるみは老化の象徴であり、その原因がコラーゲンの減少と 考えられ、サプリメントでコラーゲンを摂取する人もいますが、これは間違いです。コ ラーゲンはタンパク質であり、胃腸でアミノ酸まで分解されて吸収されるので、その時点 で跡形もなくなります。ちょうど牛肉を食べても牛にならないのと同じ理屈です。

●女性ホルモン
女性ホルモンが更年期に低下するのが老化の始まりという考えもあり、アメリカでは1990 年代に、女性ホルモンを補充することが流行りました。しかし、月経周期の乱れ、乳がん、 子宮がんの増加に加え、心筋梗塞、脳卒中の増加が観察され、2002年には中止されています。

●老化防止に効果のありそうな薬 SERM(サーム)(商品名:ビビアント)
骨粗鬆症の薬ですが、乳がんや卵巣がんも減少するようです。

ARB(エイアールビー)(商品名:オルメテック、ディオバンなど) 内臓が老化すると線維化が進むのですが、アンギオテンシンというホルモンが内臓の線維 化を促進することが知られており、このアンギオテンシンを抑制する降圧剤がARBです。

スタチン(商品名:リピトール、メバロチンなど)
高コレステロール血症の治療薬ですが抗酸化ストレス効果や認知症予防の可能性があります。

以上参考になれば幸いです。

世田谷区太子堂にて神経内科・内科・訪問診療(在宅医療)クリニックを開院。
皆様のホームドクターとして、高血圧、高脂血症、糖尿病などをはじめとする
生活習慣病の予防・治療から、脳梗塞や難病などで寝たきりの患者の在宅療養支援まで、
地域に密着した医療を目指しています。
お気軽にご相談・ご来院ください。
ながしまクリニック 内科・神経内科

院長 長嶋 勝
〒154-0004 世田谷区太子堂3丁目38-18
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Tel:03-5433-3818
http://www.nagashimaclinic.jp

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