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体がいちばん大切だから

vol.06 熱中症に気を付けよう

梅雨の季節から夏にかけて、暑さに馴れないこの時期に多く発症するのが熱中症です。原発事故を受けて今年も夏場の節電が問題になりそうですが、 扇風機やクーラーを控えたりすると熱中症になりやすいので気をつけましょう。

○熱中症の症状
軽度のもの(熱中症Ⅰ度)は無症状のこともあります。実際に熱中症で亡くなった方の統計では、 3分の2の方は自覚症状を訴えなかったのです。初めは無症状ですが、めまい、筋肉痛、頭痛、気分不快、などが初期症状のこともあります。

中等度の熱中症(熱中症Ⅱ度)では、臓器への血流障害がおこり、消化器症状では吐き気、嘔吐、脳への血流障害で頭痛、めまい、 筋肉への血流低下で足のこむら返りやけいれんを来します。重症(熱中症Ⅲ度)では意識障害があり、腋窩温(えきかおん=脇で測る体温) で38℃以上あり、脳機能障害を示すうわごとを言う、わけのわからないことを言うなどの、せん妄状態、奇異な異常行動、ふらふらするなどの症状や、血液検査では肝・腎機能障害、 血液凝固障害などがあり、多臓器不全という状態で、生命の危機が来ます。

○熱中症の成り立ち
熱が体内にこもり、高体温になるのが熱中症です。
その原因・要因として、
①外部環境が高温多湿または労働やスポーツなどの筋肉運動で熱の産生が増えている状態。
②熱を発散させる働きのある循環血液量が足りない、つまり体内の水分不足(脱水)。
③心機能の低下により、血液の循環が悪い状態。
④体温調節が暑さに馴れていない状態(夏本番の手前に起こりやすい)。

などが挙げられます。このうち、若い人は①、②、④が主ですが、高齢者や認知症、糖尿病、心疾患などの合併症のある方は②、③、④が考えられます。
特に心不全で、利尿剤を飲んでいる方は、②の脱水に成り易く③もあり、注意が必要です。

○熱中症の治療
上記の熱中症の要因に対応して、①身体の冷却:水をかける、濡れティッシュを皮膚につ けて扇風機・団扇などで風を送る、エアコンを強くし、安静にする。②水分(塩分入りの スポーツ飲料)の摂取、点滴輸液、③中等度以上は入院し全身の管理。

○熱中症の予防
感冒等で、発熱や下痢などがある場合、熱中症の合併をきたしやすいので、水分摂取や、外部の高温多湿環境に注意しましょう。高齢者や精神障害の方には周囲の方が介入して水 分摂取の習慣をつけたり、室内の温度湿度環境を整えたりすることが必要でしょう。

世田谷区太子堂にて神経内科・内科・訪問診療(在宅医療)クリニックを開院。
皆様のホームドクターとして、高血圧、高脂血症、糖尿病などをはじめとする
生活習慣病の予防・治療から、脳梗塞や難病などで寝たきりの患者の在宅療養支援まで、
地域に密着した医療を目指しています。
お気軽にご相談・ご来院ください。
ながしまクリニック 内科・神経内科

院長 長嶋 勝
〒154-0004 世田谷区太子堂3丁目38-18
アパートメンツ三軒茶屋1階
Tel:03-5433-3818
http://www.nagashimaclinic.jp

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