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vol.08 めまいについて

ロンドンオリンピックで活躍した、なでしこジャパンの澤穂希選手が苦しんだというめまい、「良性発作性頭位めまい症」が話題になることがあります。
澤選手の「良性発作性頭位めまい症」はめまいの中では頻度の高いものです。朝方起床時に頭位変換で回転性のめまいが生じ、数日で改善するものです。原因として内耳の半規管内の耳石が浮遊するためとされています。
「良性のめまい」というのは命に差し障りがないとか、すぐに治るという意味ですが、逆に良性でない場合、たとえば脳血管障害や脳腫瘍、不整脈などでは後遺症を残すとか命に関わることもありますので、そのような悪い病気を否定するために、頭部MRIとかMRAなどが必要な場合もあります。

めまいはいろいろな病気の一症状であり、その原因は多岐にわたっています。
病気の原因を部位別に分けると内耳、脳幹、大脳、精神があり、全身性のものは低血圧、貧血、不整脈などがあります。

内耳性のものは、澤選手の「良性発作性頭位めまい症」が代表的ですが、メニエル病や前庭神経炎、聴神経腫瘍などもあります。メニエル病は繰り返す突然のめまいと聴覚異常(耳鳴り、難聴、耳閉感)があり、聴覚異常の有無が診断のカギになります。
脳幹は内耳と脳の間の神経組織ですが、この部分に酸素や栄養分を与える動脈が椎骨脳底動脈といい、動脈硬化により血流が悪くなるとめまいを起こします。
大脳ではやはり動脈硬化により、脳出血や脳梗塞といった脳血管が破れたり、詰まったりする病気が多いです。
精神疾患ではパニック障害や、地震酔いといわれる、東日本大震災後の後多くの人に見られたような、精神的ストレスにより、いつも揺れているようなめまい感というのもあります。
全身性のめまいとしては、高血圧自体によるもの、降圧剤の効きすぎによる低血圧によるもの、糖尿病や加齢に伴う自律神経障害による起立性低血圧、心臓疾患による不整脈による失神、貧血(血液の赤血球数が少ない)によるもの、薬剤の副作用によるもの、脱水や熱中症によるものなどがあります。
めまいの診断は以上のような多彩な原因を鑑別することにあります。 その要点はまず、めまいの性質がぐるぐる回るようなもの(回転性)か、ふわふわ浮くようなもの(浮遊性)か、を分けます。回転性の場合は内耳や脳幹からのものが多く、浮遊性の場合、脳、精神が多いです。
それからめまい以外の症状を診ることです。たとえば血圧、貧血、歩行状態、言語障害、耳鳴り、頭痛、手足のしびれ、などを診ること。さらに既往歴で、糖尿病がなかったか、今までに同様の症状がなかったか、常用の薬剤はないか、などの問診が必要です。

めまいはその原因によって、掛る診療科も違います。
内耳なら耳鼻科、更年期障害に伴うものなら婦人科、脳障害なら神経内科か脳外科、精神障害なら心療内科か精神科、内科的疾患(高血圧、低血圧、不整脈、貧血、糖尿病)なら内科か神経内科、わからなければとりあえず神経内科がいいでしょう。

世田谷区太子堂にて神経内科・内科・訪問診療(在宅医療)クリニックを開院。
皆様のホームドクターとして、高血圧、高脂血症、糖尿病などをはじめとする
生活習慣病の予防・治療から、脳梗塞や難病などで寝たきりの患者の在宅療養支援まで、
地域に密着した医療を目指しています。
お気軽にご相談・ご来院ください。
ながしまクリニック 内科・神経内科

院長 長嶋 勝
〒154-0004 世田谷区太子堂3丁目38-18
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