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体がいちばん大切だから

vol.07 睡眠時無呼吸症候群の話

夏場になると、昼寝をする人が多いと思います。熱帯夜など寝苦しい夜があれば昼間は眠くなります。観光バスで団体旅行に行くとバスの中で運転手以外の皆さんがみな寝ているということはよくあることです。運転手が寝てしまうと大事故につながります。仕事中に眠気が出るようですと、もう病気に近いかもしれません。

睡眠中に無呼吸になる病気があり、「睡眠時無呼吸症候群」と言われます。
症状は、睡眠中のいびき、日中の過剰な眠気、睡眠中に息が止まっていると言われる(無呼吸の指摘)、夜間頻尿、全身倦怠感、起床時の頭痛、うつ状態、性機能低下、夜間体動異常、夜間覚醒、不眠、などがあります。 ここで言う無呼吸とは、10秒以上の呼吸停止のことです。無呼吸とまでいかなくても、酸素飽和度が3~4%低くなるものを低呼吸といいます。1時間に何回無呼吸や低呼吸があるかということを表すのが無呼吸・低呼吸指数(AHI)といいます。このAHIが5未満は正常で、5以上で睡眠時無呼吸症候群になります。AHIが5から15が軽症、15から30が中等症、30以上が重症です。
榊原博樹氏の某製造工場での職員全員(男性1007人)の簡易モニターによる研究結果ではAHI5以上の方が25.4%、AHI10以上の方が11.6%、15以上のかたが6.4%、30以上の方が1.8%いたということです。 つまり、睡眠時無呼吸症候群の方は男性の4人に1人いるということです。ものすごく多いということです。

○睡眠時無呼吸症候群の原因
原因は咽頭腔の狭小が遺伝的にあり、そこに肥満が加わったり、加齢現象が加わったりすることが考えられています。そのほかに悪化因子として、喫煙、慢性閉塞性肺疾患、飲酒があります。 合併症として、高血圧、不整脈、心不全、脳血管障害、糖尿病、脂質異常症、胃食道逆流症などを引き起こしやすくなります。

○睡眠時無呼吸症候群の診断と治療
診断方法としては、まず問診があります。代表的なものはエプワース眠気尺度(Epworth Sleepiness Scale: ESS)です。総得点24点であり、11点以上は睡眠時無呼吸の疑いがあります(下表参照)。 さらに簡易睡眠時無呼吸モニターがあり、一晩、家庭で呼吸流量測定用カニューレと酸素飽和度測定器をつけてもらうと、大まかにAHIが解ります。
これでいよいよ疑わしいときは睡眠専門クリニックに行き、一晩入院で脳波や、心電図やビデオモニターなどをつけて睡眠時無呼吸の正確な診断をします。

治療は、軽症ですと睡眠体位の工夫、口腔内の装置を入れることなどがあり、重症では鼻マスクを睡眠中に着けて人工呼吸器をつける方法もあります。
いびきや無呼吸が気になる方は、まずESSをやってみて、11点以上なら受診しましょう。睡眠中のことは検査しないとわからないものです。 (当院には簡易睡眠時無呼吸モニターがあります。)

もし、以下の状況になったとしたら、どのくらいうとうとする(数秒~数分眠ってしまう)と思いますか。最近の日常生活を思いうかべてお答えください。以下の状況になったことが実際になくても、その状況になればどうなるかを想像してお答え下さい。
(1~8の各項目で、◯は1つだけ)すべての項目にお答えいただくことが大切です。
A=うとうとする可能性はほとんどない
B=うとうとする可能性が少しある
C=うとうとする可能性は半々くらい
D=うとうとする可能性が高い
A B C D
座って何かを読んでいるとき(新聞、雑誌、本、書類など) 0 1 2 3
座ってテレビを見ているとき 0 1 2 3
会議、映画館、劇場などで静かに座っているとき 0 1 2 3
乗客として1時間続けて自動車に乗っているとき 0 1 2 3
午後に横になって、休息をとっているとき 0 1 2 3
座って人と話をしているとき 0 1 2 3
昼食をとった後(飲酒なし)、静かに座っているとき 0 1 2 3
座って手紙や書類などを書いているとき 0 1 2 3
合計点が11点以上なら受診!

世田谷区太子堂にて神経内科・内科・訪問診療(在宅医療)クリニックを開院。
皆様のホームドクターとして、高血圧、高脂血症、糖尿病などをはじめとする
生活習慣病の予防・治療から、脳梗塞や難病などで寝たきりの患者の在宅療養支援まで、
地域に密着した医療を目指しています。
お気軽にご相談・ご来院ください。
ながしまクリニック 内科・神経内科

院長 長嶋 勝
〒154-0004 世田谷区太子堂3丁目38-18
アパートメンツ三軒茶屋1階
Tel:03-5433-3818
http://www.nagashimaclinic.jp

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