のほほん散歩道

vol.05 みなさんは「二宮金次郎(尊徳)」をご存知でしょうか?

江戸時代風の身なりをし、背中にたくさんの薪を背負い本を読みながら歩く子供の銅像」といえば、大概の人は頭にうかぶと思います。しかし、意外なことに実物(銅像)を見たことは無い方が多いみたいですね。どこの小学校にもあるようなイメージなのですが、私の在学していた小学校はもちろん、隣の学区にあった小学校にもありませんでした。

二階建てや平屋の木造校舎の小学校の玄関脇あたりに、緑青をおびて台の上に立っている、そんな光景が私自身思い浮かぶのですが、どこで見たのか記憶が無い・・・

あとは学校怪談話で「夜になると目が光る」とか、「深夜になると歩く」なんていわれて、それなりの知名度はあるのではないでしょうか。


最近、街中で服装は異なれど<現代版二宮金次郎>を見かけます。特に10代から20代の男女が多いのですが、リュックを背負い両耳にはイヤホンをして、携帯端末を操作もしくは見ながら歩いています。

なかにはサラリーマンやOL、小学生から大学生までおり、通勤通学のラッシュ時間帯には少ないようですが、五人に一人くらいは見かけることがあります。

さらには、自転車を片手で乗りながら、ひどいのになると自動車を運転しながらの操作をする人までいます(共に道交法違反で罰せられます)。

まさか金次郎の如く「寝る間も惜しんで」という方はいらっしゃらないでしょうが、手のひらの画面に夢中になって下向きに歩いています。メールだったりゲームだったり、それぞれ違うようですが、一心不乱というか無我夢中になっています。

金次郎の時代なら前を見ないで歩いても往来の人の流れが少なく、せいぜい人にぶつかるか田圃の畦道や土手から転げるくらいで済むでしょうが、現在ではそれでは済みません。

人が増えた分、通行量は多くなり当時は無かった自転車・バイク・自動車という動く障害物ができ、歩車道の区別はあれども交通事故が起きています。


私が実際に目撃した例では、①歩行者の横断歩道信号無視、②階段の踏み外しによる転倒、③自転車同士の出会いがしら というのがあります。

① このケースは、徒歩で信号待ちをしていたのですが、イヤホンをして携帯端末を操作しながら歩いてきた大学生が信号を確認せずに、そのまま横断歩道を渡り始めました。幸いなことに車の運転手が早めに気付き、クラクションを鳴らし急ブレーキをかけて止まりましたので大学生は無事でしたが、後続車がいなくて良かったです。当事者たる大学生は、運転手が車から降りるより早く逃げ出しました。

② 普段でも荷物を抱えているとやってしまうパターンですが、ある駅の階段で操作に夢中で段数を間違えてしまい、こけただけならまだしも勢いあまって前の人も押し倒したサラリーマンがいました。謝罪の仕方が良くないと言われ大喧嘩になっていました。

③ バイクで信号待ちをしていたのですが、後ろから流行のスポーツ自転車が横をスピードも落とさずにすり抜けて直進。よく見ると携帯らしき物を片手にちらちら見ながら乗っていました。まだ赤信号でしたが車が途切れたらしく、そのまま交差点に進入して、左から走ってきた同じようなスポーツ自転車とぶつかり転倒しました。そのせいで信号をもう一度待たされることになり、二人の様子を見ることになりましたが、自転車は二台とも車輪が大きく曲がり、ぶつけられた方だったと思いますが座り込んでいました。


つい先日も携帯に夢中になっていた小学生が、駅のホームから転落して危うく入ってきた電車に轢かれそうになった、というニュースを見ました。

みなさんも「二宮金次郎」になるときは、電車やバスの中はともかく歩行中や運転中は絶対にやめましょう。

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